「はじめての問診」うつ病で聞かれる質問の意図とは?
心療内科や精神科を受診すると、最初にどんな診察をするのでしょうか。
風邪やけがなど体の病気で内科や外科の診察は誰しもが経験したことがあると思います。
けれども、心療内科や精神科については一度も受診したことことがない方という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、そういった方のご参考までに、一般的な精神科(心療内科を含む)では、
「初診時にはどんな診察をするのか」
「うつ病の診断はどのように下されるのか」
ということについて解説したいと思います。
うつ病の診断は問診が中心になる
この記事の目次
例えば風邪のような体の病気の場合は、
・熱を計る
・のどの状態を見る
・胸の音を聴く
・リンパ腺を触診する
といったことを医師が行います。
医師はこれらの、数値、視覚、触覚、聴覚などの五感から直接伝わる情報と、問診の際の本人の申告による症状を総合的に判断して、風邪の程度を診断します。
しかし、うつ病をはじめとしたこころの病気の場合は、明確に目にみえる、数値的な指標や視覚で判断できる特徴があるわけではありません。
そのため、患者さんの心身の状態、特に精神状態を知るために問診を中心とした診察が行われます。
うつ病の初診できかれること
特に初診時においては、病気の判断のどれくらいの程度の症状なのかを的確に判断するために、じっくりと時間をかけて問診を行います。
逆に言えば、初診時にしっかりと時間をとらずに、いわゆる「3分診療」でろくに患者の話を訊かずに、薬だけすぐに処方するような精神科医は信用できませんので注意して下さい。
初診でよく訊かれる質問には、次のようなものがあります。
初診でよく訊かれる質問
「いつごろから気分が沈んだり、憂うつになったりするようになりましたか?」
「睡眠は十分にとれていますか?」
「食欲はありますか?」
「人の会うのがおっくうですか?」
「一日のうちで一番調子が悪いのは何時くらいですか?」
「趣味などの何か楽しめることはありますか?」
「今、一番困っていることはなんですか?」
このように、さまざまなタイプの質問を受けますが、質問の目的は、次のような事項について細かく確認をとることにあります。
・発症の契機
・病前性格
・既往歴
・家族歴
・生活歴
これらのことをしっかりと確認することにより、うつ病の病像(病気の全体像)をとらえて、治療の方針や薬の処方の内容を決定するのです。
うつ病の診断に必要な問診
これらの問診の目的について、ひとつづつ確認していきたいと思います。
「発症の契機」について
発症のきっかけを知ることが目的です。
心身の疲労によるものか、対人関係によるものか、それとも親しい人との別れによる喪失感が原因なのか、など発症の要因を詳しく確認することで、今後の治療の方針を探ります。
さらに、環境的な要因が影響しているのか、それとも遺伝的な素因が強いのか、といったことも確認し、現在おかれている状況そのものを改善していくのか、病気そのものに対する薬物治療に比重をおいたほうがいいのか、などの治療の展望を立てます。
「病前性格」について
うつ病には、「うつ病になりやすい性格」というものがあります。
うつ病の治療では、うつ病になる前の性格=病前性格を知ることが非常に重要になります。
最近では、若者に多い、依存性が強く甘えているだけとも誤解を受けやすい新型うつ病とよばれるうつ病も多くなっています。
新型うつ病の場合、自らうつ病を治そうという意思に乏しく、従来のうつ病の治療をそのまま施しても、一向に改善が見られず慢性化してしまう場合があります。
そういった事態を避けるためにも、病前の性格をしっかりと把握して、治療の方向性を誤らせない注意が必要になります。
「既往歴」について
既往歴とは、過去の病気や健康状態のことです。
体の病気がうつ病を引き起こすきっかけや原因になることがあります。
こころの病気の診断は、その精神状態に体の病気が影響していないかどうかを疑うことからはじめます。
そして、体の状態が影響していないことが確認されてからはじめて、うつ病などのこころの病気が発生しているのではないかと考えます。
また、緑内障などのように、ある種類の抗うつ薬が使えないという病気もありますので、既往歴を事前に確認しておくことは大切なことです。
「家族歴」について
うつ病は、さまざまな要因が重なって起こる病気ですが、その要因のひとつとして考えられているのが遺伝的素因です。
第一親等(自分の親や自分の子供)にうつ病の既往がある人のうつ病の発症率は、そうではない人の2倍〜3倍と言われています。
うつ病は遺伝病ではありませんので、遺伝の影響に過敏になる必要はありません。
しかし、発症のしやすさにおいては遺伝的要因も認められていますので、注意を払うのに越したことはないということです。
「生活歴」について
生活歴とは、出生から現在までどのような生活を送ってきたか、つまり「生い立ち」のことです。
うつ病の発症は、現在の生活のみで原因を考えればよいわけではなく、学生時代、幼少期の養育状況、はては出生時の状況までさかのぼる、長期的なスパンでの影響を考えることも重要とされています。
生活歴の質問には、次のようなポイントがあります。
生活歴で重要になるポイント
出生時
・正常分娩かどうか
・母親が出産後に精神的不調を起こさなかったか
乳幼児期
・母親の世話をほどよく受けていたか
・母親のかわりの養育者はいたか
・保護者の態度に次のことがなかったか
過保護
過干渉
支配的
厳格
拒否的
冷淡
放任
学業生活
・出席状況
・交友関係
・最終学歴
・非行の有無
職業生活
・職歴
・職業の適否
・職場での人間関係
・地位
・異動
・職場での評判
結婚生活
・夫婦生活
・不和
・葛藤
・別居
・離婚
老年期
・退職
・家族との死別
・離別
・心身の老化
うつ病の診断手順
精神病院や心療内科では、初診時に以上のようなことを30分以上かけてじっくりと問診していきます。
そして、その結果を総合的に判断し、うつ病の度合いを診断してそれぞれの症状に合わせた治療を始めていくのが一般的です。
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