精神安定剤 を大きく分類すると?【抗うつ薬】
さまざまな精神安定剤 ー抗うつ薬ー
「こころの病気」にはさまざまな種類があります。
それぞれの病気の症状は明確に変わってきますので、それぞれの治療に用いられる精神安定剤にもさまざまな種類があり、症状に応じて多様に使い分けられます。
当サイトは「なるべく薬に頼らずに安定した心の状態と睡眠を得ること」を基本的な考えとしています。
しかし、そうは言っても病気の症状の重さの程度によっては薬物治療が必要な場合もあります。
薬を使用するかしないかは、最終的に主治医の判断と本人の意思で決定されます。
安易は薬の使用はおすすめしませんが、いずれの場合も、まずは自分でも病気と薬に対する正しい知識を身につけ、主治医とよく相談することが大切です。
主な精神安定剤の分類
精神安定剤は大きくわけて、次の4つに分類されます。
主な精神安定剤
抗精神病薬
抗うつ薬
抗そう薬
抗不安薬
この記事では、「抗うつ薬」について詳しく解説したいと思います。
抗うつ薬とは?
気分の落ちこみや意欲の減衰、思考力の低下などが起こるうつ病を改善するためにもちいられる薬が「抗うつ薬」です。
ほとんどのうつ病の場合、同時に不眠症を伴うことが多く、抗うつ薬と睡眠薬を併用することが多いようです。
また、抗うつ薬を服用するとある程度の眠気を感じるため、この作用を利用し、抗うつ薬としての効果だけではなく、睡眠薬として不眠症の改善に使うケースもあります。
うつ病のきっかけとなる原因
うつ病については、こちらの記事で詳しく解説していますが、うつ病は、脳内の神経伝達物質の機能低下が原因で起こる脳の病気です。
心に働く脳内物質であるセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質の機能が、なんらかの原因によって低下し、抑うつ状態が起こると考えられています。
うつ病のきっかけとなる原因には、次のようなものがあります。
心因性の原因
親しい人の死、リストラによる失職など強いストレスがきっかけとなる心理社会的な原因
内因性の原因
遺伝的な要因などの、原因と考えられるようなきっかけがなく生じる場合
外因性の原因
脳血管障害や脳腫瘍などの脳器質的な病気や甲状腺機能亢進症などの体の病気、感染や中毒などが原因で生じるもの
このように、うつ病はストレスだけが原因で発症するわけではなく、さまざまな原因で起こる場合があります。
そのため、これらの可能性も考慮して、頭部の検査や血液検査を行い、他の疾患がないかどうかを調べる場合もあります。
抗うつ薬の種類
主な抗うつ薬は次のように分けることができます。
主な抗うつ薬の分類
三環系抗うつ薬
四環計抗うつ薬
トラゾドン塩酸塩
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)
これらの抗うつ薬には次のような種類があります。
三環系抗うつ薬
一般名 | 主な商品名 |
アミトリプチリン塩酸塩 | トリプタノール |
アモキサピン | アモキサン |
イミプラミン塩酸塩 | トフラニール |
クロミプラミン塩酸塩 | アナフラニール |
ドスレピン塩酸塩 | プロチアデン |
トリミプラミンマレイン酸塩 | スルモンチール |
ノルトリプチリン塩酸塩 | ノリトレン |
ロフェプラミン塩酸塩 | アンプリット |
四環系抗うつ薬
一般名 | 主な商品名 |
セチプセチプチリンマレイン酸塩 | テシプール |
マプロチリン塩酸塩 | ルジオミール |
ミアンセリン塩酸塩 | テトラミド |
トラゾドン塩酸塩
一般名 | 主な商品名 |
トラゾドン塩酸塩 | デジレル |
レスリン |
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
一般名 | 主な商品名 |
フルボキサミンマレイン酸塩 | デプロメール |
ルボックス | |
パロキセチン塩酸塩水和物 | パキシル |
塩酸セルトラリン | ジェイゾロフト |
エスシタロプラムシュウ酸塩 | レクサプロ |
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
一般名 | 主な商品名 |
ミルナシプラン塩酸塩 | トレドミン |
デュロキセチン塩酸塩 | サインバルタ |
NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)
一般名 | 主な商品名 |
ミルタザピン | リフレックス |
レメロン |
それぞれの抗うつ薬の特徴
三環系抗うつ薬
三環系抗うつ薬は、抗うつ治療薬治療が始まった初期の時代に開発された抗うつ薬です。
抗うつ作用は強く、うつ状態に効果的ですが、便秘やのどの渇きなどの副作用も強く出ると言われています。
四環系抗うつ薬
三環系抗うつ薬の次に開発されたのが、四環系抗うつ薬です。
四環系抗うつ薬は、作用が比較的穏やかで副作用も弱いと言われ、高齢者や比較的軽度のうつ状態に使われます。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
現在のうつ病治療の中心となっているのは、「SSRI」と呼ばれる新しいタイプの抗うつ薬です。
SSRIは、うつ病の原因は「脳内のセロトニンが欠乏したために起こる」という考え方からつくられました。
SSRIは、それまでの抗うつ薬にみられるような副作用も弱く、抗うつ効果が高いと言われています。
うつ病は、セロトニンなどの心に働きかける神経伝達物質が減る事によって、脳内の情報伝達に不具合が生じるため起きると考えられています。
※この考え方のことをモノアミン仮説といいます。
脳のシナプスには、放出したセントロニンをもう一度取り込むように穴のようなものがあいています。
SSRIは、「セロトニン再取り込み阻害薬」というその名の通り、その穴をふさぐ事によって再度シナプスにセントロニンが戻らないようにするという働きをします。
その働きにより、神経伝達に使われるセントロニンを増やして、神経伝達がスムーズに働くようにして、うつ症状を改善します。
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
同じく新しいタイプの抗うつ薬として、「SNRI」があります。
SSRIはセロトニンに対して働きますが、SNRIはセロトニンとノルアドレナリンの両方に対して働きます。
SNRIはセロトニンとノルアドレナリンの両方の働きを強める作用により、うつ病の症状を改善します。
SSRIはどちらかというと不安症状に効果的であるとされています。
一方でSNRIは、意欲低下などの症状あるケースに適しているといわれ、活動性を回復させることにより効果があるといわれています。
NaSSA
さらに新しいタイプの抗うつ薬と注目されているのが「NaSSA(ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬)」です。
Nassaは一般名をミルタザピンといい、2009年に承認された新しい薬です。
商品名には、リフレックスやレメロンといったものがあります。
作用のしくみはSSRIやSNRIとは異なり、セロトニンとノルアドレナリンを効率良く増やし、効果があらわれるまでの時間が短く、焦燥感や衝動性、悪心や嘔吐などの副作用も現れにくいといわれています。
また、ドーパミンも間接的に活性化するといったデータもあるようです。
抗うつ薬の副作用
一般的な抗うつ剤の副作用には、
・のどの渇き
・便秘
・めまい
・手のふるえ
・眠気
などがあります。
三環系抗うつ薬は、こうした副作用がもっとも強く出るといわれています。
抗うつ薬のタイプ別の副作用は次のとおりです。
抗うつ薬タイプ別の副作用
三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬の副作用
三環系抗うつ薬と四環系抗うつ薬では、
「敵意、攻撃性が高まることがある」
ということが「重大な副作用」として2009年に指摘がされています。
これらは、
・統合失調症におけるうつ状態
・パーソナリティー障害
・躁うつ病
・アルコール依存症
といった病気が併存している状態で起こる場合があります。
SSRIの副作用
SSRIの副作用では、吐き気、悪心などの消化器系の症状がおこりやすいとされています。
SNRIの副作用
SNRIの副作用では、SSRI同様の吐き気に加えて、汗をいっぱいかいて尿が出にくくなる「多汗尿閉(たかんにょうへい)」という副作用が知られています。
NaSSAの副作用
副作用が少ないといわれているNaSSAでも、眠気や口が渇くなどの副作用があらわれる場合があります。
抗うつ薬は、睡眠薬のように即効性があるわけではなく、効果がでるまでに1週間から10日くらいはかかりるものです。
それまでに副作用が強く出た場合は、速やかに主治医に相談するように気をつけましょう。
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