精神安定剤 を大きく分類すると?【抗精神病薬】
さまざまな精神安定剤 ー抗精神病薬ー
「こころの病気」には多種多様な種類があります。
それぞれ明確に症状が違いますので、それぞれの治療に用いられる精神安定剤にもさまざまな種類があり、症状に応じて使い分けられています。
当サイトでは、「なるべく薬に頼らずに安定した心の状態と睡眠を得ること」を目的としていますが、病気の種類や症状の重さの程度によっては、薬物治療が必要不可欠な場合もあります。
薬を使用するかしないかは、最終的に主治医の判断と本人の意思で決定されますが、いずれにしても、病気と薬に対する正しい知識を身につけることが大切です。
主な精神安定剤の分類
ひとくちに「精神安定剤」といいますが、精神安定剤は大きくわけて、次の4つに分類されます。
主な精神安定剤
抗精神病薬
抗うつ薬
抗そう薬
抗不安薬
この記事では、「抗精神薬」について詳しく解説したいと思います。
抗精神病薬とは?
抗精神病薬は、主に統合失調症に用いられる薬です。
抗精神病薬は、古くは1950年代に開発された薬から始まり、その後、さまざまな研究と改良が繰り返されて現在に至っています。
第一世代抗精神薬「定型抗精神薬」
古いタイプの第一世代抗精神薬は、「定型抗精神薬」とよばれるもので、脳内のドーパミンに対して強い拮抗作用をする薬剤でした。
拮抗作用とは、打ち消し合うように作用することを指します。
第一世代抗精神薬には、次のようなものがあります。
フェノチアジン系薬剤 ※抗幻覚妄想薬
一般名 | 主な商品名 |
クロルプロマジン塩酸塩 | コントミン |
プロペリシアジン | ニューレプチル |
ペルフェナジン | トリラホン |
トリフロペラジン | トリフロペラジン |
フルフェナジン | フルメジン |
プロクロルペラジンマレイン酸塩 | ノバミン |
ペルフェナジンマレイン酸塩 | ピーゼットシー |
フェンジゾ酸ペルフェナジン | ピーゼットシー |
レボメプロマジンマレイン酸塩 | ヒルナミン、レボトミン |
※クロルプロマジン塩酸塩とレボメプロマジンマレイン酸塩は「鎮静薬」としても使用されます。
プチロフェノン系薬剤 ※抗幻覚妄想薬
一般名 | 主な商品名 |
ハロペリドール | セレネース |
プロロピパミド塩酸塩 | プロピタン |
スピペロン | スピロピタン |
ピモジド | オーラップ |
チミペロン | トロペロン |
ブロムペリドール | インプロメン |
イミノベンジル系抗精神薬 ※抗幻覚妄想薬
一般名 | 主な商品名 |
カルピプラミン塩酸塩水和物 | デェフェクトン |
クロカプラミン塩酸塩 | クロフェクトン |
モサプラミン塩酸塩 | クレミン |
ベンズアミド系抗精神薬
一般名 | 主な商品名 |
スルピリド | アビリット、ドグマチール |
チアプリド塩酸塩 | グラマリール |
ネモナプリド | エミレース |
スルトプリド塩酸塩 | バルネチール |
その他の抗精神病薬
一般名 | 主な商品名 |
オキシペルチン | ホーリット |
ゾテピン | ロドピン |
第二世代抗精神薬「非定型抗精神薬」
新しいタイプの第二世代向精神薬は、「非定型抗精神薬」とよばれるもので、セロトニンとドーパミンの両方の神経系に作用することが特徴です。
この第二世代の抗精神薬には次のような薬剤があり、統合失調症においては、これらの薬が処方されることが一般的になってきました。
第二世代抗精神病薬(非定型抗精神病薬)
一般名 | 主な商品名 |
クエチアピンフマル塩酸 | セロクエル |
オランザピン | ジプレキサ |
クロザピン | クロザリル |
ペロスピロン塩酸塩水和物 | ルーラン |
リスペリドン | リスパダール |
パリペリドン | インヴェガ |
アリピプラゾール | エビリファイ |
ブロナンセリン | ロナセン |
ここでは、第二世代の抗精神病薬であるエビリファイについてご紹介したいと思います。
「エビリファイ」は商品名で、一般名はアリピプラゾールです。
このエビリファイは、ドーパミンの放出量を正常に保つ効果から、「ドーパミン・システムスタビライザー」ともよばれています。
統合失調症においては、
・気持ちを落ち着ける
・幻覚、妄想を軽減する
といった効果があり、それと同時に無気力などの症状にも効果があり、快楽消失を起こしにくく、長期治療に使うことができると言われています。
エビリファイの鎮静作用の現れはゆっくりで、強い不安や興奮、混乱状態などをともなう急性の症例には即効性のある別の薬を使うことが一般的です。
また、人により合う、合わないがはっきりしている薬剤であると言われていて、合わないケースでは吐き気やむずむず感、不眠が強く現れることがあります。
抗精神病薬は「抗幻覚妄想薬」と「鎮静薬」にわかれる
抗精神病薬は、幻覚妄想に対する「抗幻覚妄想薬」と鎮静が主な目的となる「鎮静薬」とに分けることができます。
抗幻覚妄想薬について
抗幻覚妄想薬は、統合失調症の幻覚妄想に対してもちいられる薬です。
また、覚せい剤中毒の幻覚妄想の治療にもちいられる場合もあります。
これらのこころの病気では、高確立で不眠症が併発されます。
こうした幻覚妄想が関連した不眠症では、興奮状態が原因で、睡眠薬だけでは十分な効果が得られないことが多いため、睡眠薬と抗幻覚妄想薬を併用します。
幻覚には、そこにないものが見えたりする「幻視」や、誰かが話しかけたり命令してきたりするように感じる「幻聴」などがあります。
また、妄想にも次のようにさまざまなタイプの妄想があります。
被害妄想 | 自分が他人から危害をくわえられていると感じる |
誇大妄想 | 自己を課題評価する妄想 |
微小妄想 | 自己を過小評価する妄想 | 関係妄想 | 周囲の人の言動が自分に関係あるものと考える |
注察妄想 | 他人に見られていると考える |
追跡妄想 | 誰かに後をつけられていると考える |
嫉妬妄想 | 男女関係に関連した妄想 |
貧困妄想 | 財産を失うなどして貧乏になってしまうのではないかと考える |
罪業妄想 | 自分は道徳に反して他人に迷惑を書ける罪深い存在であると考える |
虚無妄想 | この世は生きるに値しないと考える |
これらは、統合失調症、躁うつ病、非定型精神病といった精神疾患のみにみられるだけではなく、脳腫瘍や脳血管障害のような脳の気質的な病気にもみられる場合があります。
また、体の病気が原因となって幻覚妄想が出現することもありますし、ステロイドをもちいた薬物治療におて出現する場合もあります。
鎮静薬について
もうひとつの抗精神病薬である「鎮静薬」は、激しい興奮状態を起こしている場合にもちいられます。
興奮状態が原因の不眠症の場合、睡眠薬だけでは対処しきれないことが多く、抗幻覚妄想薬の場合と同様に睡眠薬と鎮静薬を併用する場合があります。
抗幻覚妄想薬や鎮静薬と睡眠薬を併用するケースの多くは、統合失調症などのこころの病気があって、幻覚妄想状態や激しい興奮状態におちいっているケースです。
抗精神病薬の副作用
抗精神病薬の副作用には、「パーキンソン症状」「アカシジア」「ジストニア」などの症状が起こる場合があります。
パーキンソン症状
パーキンソン症状には、
・体が硬直して歩行ができなくなる
・目がつりあがる
・ろれつが回らなくなる
などの症状があります。
抗精神病薬の副作用としてはもっとも現れやすいものです。
アカシジア
アカシジアでは、
・むずむず感
・焦燥感
などの症状があります。
これらの症状により落ち着きがなくなって、立ったり座ったり、歩き回ったりしないといられない状態になってしまいます。
このことを「静座不能」と言います。
ジストニア
ジストニアは筋肉の調整がうまくいかなくなってしまうために起こる症状です。
筋肉に勝手に力が入ってしまい、不自然な姿勢になってしまいます。
手足を曲げたり突っ張ったり、ふるえてしまったりといった症状があります。
その他の副作用
このほかに、便秘、肝機能の障害、発疹、皮膚炎といった症状が起こる場合もあります。
第二世代抗精神病薬である、非定型抗精神病薬では、もっとも起きやすいと言われているパーキンソン症状が起こりにくいと言われています。
副作用をじかくしている場合は、主治医にしっかりと伝え、よりよい治療をうけていけるようにしましょう。
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