専門医が基準とする「うつ病」の国際的な診断基準とは?
心療内科や精神科で、うつ病をはじめとしたこころの病気の診察をする際には、国際的な診断基準を用いて診断をします。
ここでは、どのような診断基準があるのかについてご紹介します。
専門医が利用する2つの国際基準
この記事の目次
専門医が、うつ病などのこころの病気を診断する際に利用する国際基準は次の2種類があります。
ICD(国際疾病分類)
ひとつは、世界保健機関(WHO)が作成した「ICD(国際疾病分類)」です。
現在は、1990年の第43回世界保健総会において、第10回目の修正版として採択された第10版が最新版です。
「ICD-10」という略称で使用されています。
DSM(精神疾患の分類と診断の手引き)
もうひとつには、アメリカ精神医学会がまとめた「DSM(精神疾患の分類と診断の手引き)」があります。
現在の最新版は、2013年に改訂された「DSM-5」ですが、実際に使用されているものは、2000年に改訂された「DSM-IV-TR」がほとんどでしょう。
国際的なガイドラインが定められた経緯
この2つの国際的なガイドラインが作られる以前には、それぞれの国の研究機関や、大学の医学部、病院などで独自に作成され、それぞれ違う基準で使用されていました。
しかし、国や地域、はては施設といった小さな単位で、病気の分類や診断がバラバラになるようでは、こころの病気の研究や調査の発展に大きく不都合が生じます。
そのため、便宜的に病気を分類し、適切な診断を下すためのガイドラインが定められ、国際的な基準が作成されたのです。
2つの診断基準の違い
世界保健機関が作成した「ICD-10」は国際的な合意のもとにまとめられています。
一方のアメリカ精神医学会の「DSM-IV-TR」は、アメリカ国内の大学や研究所、医療現場を想定されて作成されています。
どちらの基準も、「医師による診断の差をなくし、それを統一して、同じ状態を誰もが同じ言葉で記述できるようにする」という姿勢で作られています。
この考え方のことを操作的診断学とよびます。
この操作的診断学の考えに基づいて、両者は対立するものではなく、それぞれのスタッフが意見を交流しながら無用な相違点が生じないように作成されているようです。
日本の厚生労働省は「ICD-10」を推奨
日本の厚生労働省は「ICD-10」の使用を推奨しています。
国際基準を使った実際の診断
「ICD-10」を使用した、実際の臨床現場においてのうつ病の診断は、次のチェックリストに示されるように、3つの大項目、7つの小項目があるかどうかで診断されます。
これらの該当する項目を集計することによって、国や地域による基準にバラつきが生じずにうつ病の診断ができるというわけです。
うつ病診断の症状評価項目
ICD-10 うつ病エピソード
大項目
❶ 抑うつ気分(憂うつ、気が滅入る)
❷ 興味と喜びの喪失
❸ 易疲労感の増大と活動性の減少
小項目
❶ 集中力と注意力の減衰
❷ 自己評価の乏しさと自信のなさ
❸ 罪責感と無価値感
❹ 将来に対する希望のない悲観的な見方
❺ 自傷あるいは自殺の観念や行為
❻ 睡眠障害
❼ 食欲不振
(大項目、小項目の症状が2週間以上続いている)
該当される項目から、次のようなうつ病の重症度が診断されます。
大項目2+小項目3〜4 ⇨ 中等症うつ病
大項目3+小項目4 ⇨ 重症うつ病
こころの働きは複雑で、そんなに単純に計れるものではありません。
このテストの結果のみをただ機械的に判断して、うつ病の重症度を決定する専門医はさすがにいないでしょう。
実際の臨床の現場では、各項目の個々の症状の程度を更に考慮し、総合的に判断した上でうつ病の重症度を分類しているようです。
セロトニンを増やすためのサプリ
薬を使わずにセロトニンを増やすことを目的としたサプリについての記事はこちらからどうぞ。【2019】当サイトお勧めの天然素材のセロトニンサプリ総合ランキング
- 安心の老舗セロトニンサプリ!
- 圧倒的なトリプトファン量
- 体内吸収率の良いドリンクタイプ
- 睡眠サプリの実力派
- 現行品ではNo.1の高配合率
- 2016年モンドセレクション金賞受賞
- 眠り草クワンソウ高配合
- やさしい天然ハーブ効果
- 飲みやすい錠剤タイプ