甘えとは違う?「新型うつ病」とうつ病はどこが違うのか
従来型のうつ病のイメージではとらえきれない、新型うつ病が若い人を中心に広がっています。
ここでは、「わがまま」「自分勝手」「甘えているだけ」と誤解されることも多い、新型うつ病についてご紹介します。
新型うつ病は、自分の好きなことならできる?
この記事の目次
新型うつ病の大きな特徴に、
「自分の好きなことはできる」
という大きな特徴があります。
そのため、
「職場に行くとうつ状態になり仕事に行けなくなるが、自分の好きなことは出来るため、仕事を休職して旅行に行ってきた」
というようなケースが実際の症例においてよくみられます。
従来型のうつ病とは正反対にみえる症状
うつ病というと、
・気分が憂うつで晴れない
・何をするにも億劫
・意欲がわかない
・自分を責める
といった症状が典型的です。
しかし、新型うつ病には、まるで従来型のうつ病とは正反対とも思えるような次のような特徴があります。
従来型うつ病と新型うつ病の違い
従来型のうつ病モデル | 新型うつ病モデル | |
性格傾向 | 几帳面/真面目/熱心/責任感が強い/自責的 | 自己中心的/マイペース/依存的/外罰的/拒絶に過敏 |
発症年令 | 30代後半〜50代後半に多い | 20代〜30代前半に多い |
うつ症状のムラ | ほとんどない。良いことがあっても気分が晴れることがない。好きな事や興味のあることでも楽しめない | 良いことがあると気分がよくなる。選択的抑制(職場ではうつ症状が強くなる)がある。 |
新型うつ病の大まかな特徴をあげると、次のようなものがあります。
・職場や仕事ではうつ症状が現れるが、自分の好きな事や趣味には比較的活動的で、うつ症状は現れない。
・身体的不調(鉛様疲労感)をともなう
・過眠、過食傾向がある
・自分がうつ病であることや、うつ病で休職することに抵抗感が少ない
・外罰的で、自責感が乏しい
・難治性で、慢性化しやすい
およそ、従来型のうつ病とは正反対の特徴も多くありますが、国際基準である、世界保険機構(WHO)の診断基準においても、新型うつ病は、うつ病の範疇に入っています。
新型うつ病の種類
「新型うつ病」という呼び名自体は、便宜上そう呼称されているだけで、医学的に定められているわけではありません。
医学会で一致した見解が出ているわけではなく、いまだ検討段階にある病気と言えます。
一般的には、新型うつ病と呼ばれている、新しいタイプのうつ病には次のようなものがあります。
逃避型うつ病
■1977年 広瀬徹也(精神科医)により提唱
従来型のうつ病では、困難に直面すると、それを乗り越えようとするあまり疲れ果ててしまい、うつ病を発症するということがあります。
しかし、このタイプのうつ病では、困難に直面すると問題解決をあきらめてしまい、不安や苦悩の少ない抑うつ状態に逃避します。
発症初期には、不眠や日内変動がみられます。
・過保護な養育環境
・気弱な病前性格
・ストレス過多な時代背景
が重なる事により発症すると考えられています。
若いサラリーマンに多く、特にエリートサラリーマンと言われる男性に多いとされています。
非定型うつ病
■1988年 コロンビア大学研究グループにより提唱
20歳前後に多くみられるうつ病です。
もともと、小児期、思春期に極端に恥ずかしがりだった傾向がある人に顕著で、20歳前後の対人関係のストレスが発端となり、
・強い倦怠感
・過眠
・過食
を伴ううつ状態が現れます。
職場や仕事上のうつ状態が強く、仕事から離れるとうつ状態が解消されるという特徴があります。
従来型のうつ病とは違い、楽しいことがあると気分がよくなります。
このことを「気分の反応性」と言います。
現在型うつ病
■1991年 松浪克文(精神科医)によって提唱
若いサラリーマンに多いとされているうつ病です。
組織や秩序への一体感、忠誠心が乏しく、同僚と連帯感をもつことができません。
集中力の低下、精神的な作業能力の低下を感じると会社を休んでしまう、など他者へ迷惑がかかるという罪悪感や、自責の念を持ちません。
この点では、従来型のうつ病になりやすい性格とは正反対の特徴があります。
従来型のうつ病の特徴である、
・几帳面
・まじめ
・責任感が強い
といった特徴は、職場や仕事上では現れず、趣味など自分の好きな分野でのみ発揮されます。
未熟型うつ病
■1995年 阿部隆明(精神科)により提唱
若年層に多いうつ病で、
・不安
・焦燥感
・イライラ感
が強いことが特徴です。
他者への依存が強く、要求がかなえられないと攻撃的になる特徴があり、従来型のうつ病の特徴である、他者を優先しすぎてしまうため自分を出せない、といった性格とは大きく異なります。
また、自己中心的、自分の能力を過大評価するといった特徴もあります。
・日内変動
・早朝覚醒
・食欲の低下
などのうつ症状があらわれます。
ディスミチア親和型うつ病
■2005年 樽味伸(精神科医)により提唱
中高年には少なく、比較的若い世代に多くみられるうつ病です。
「ディスチミア親和型」とは、従来型のうつ病である「メランコリー型うつ病」に対してつけられた名前です。
職場内などにおけるさまざまな人間関係、仕事のノルマや会社の連帯に重圧を感じ、自ら医療機関を受診して、休職するために診断書を要求するというケースがよく見られます。
現実逃避(特に仕事回避において)の傾向があり、会社や上司を非難し、社会参加への努力を放棄する傾向があります。
逃避型抑うつ病や未熟型うつ病と重なる部分も多く、休養や服薬だけで回復するのは難しいと言われているうつ病です。
新型うつ病が増加した理由
近年、新型うつ病と言われるうつ病が増加している理由には、次のような3つの理由が考えられるでしょう。
新型うつ病が増加している理由
新しい診断基準の導入により、うつ病の概念が広がった
精神科への受診の抵抗感がうすれ、受診する患者数が増えた
テレビ番組やインターネットの発達でうつ病の情報が得やすくなった
❶ 新しい診断基準の導入により、うつ病の概念が広がった
近年、新型うつ病が急激に増加傾向にある理由のひとつは、ICDやDSMといった国際的な診断基準が診療の現場に導入されて、うつ病の概念自体が広がっているという理由が上げられます。
このために、従来の典型的なうつ病以外のうつ病も、うつ病の範囲ととらわれるようになってきました。
❷ 精神科への受診の抵抗感がうすれ、受診する患者数が増えた
また、テレビのCMや雑誌、インターネットの啓蒙活動により、精神科や心療内科にかかることへの抵抗感が薄れたことも関係していると思われます。
以前よりも抵抗感が少なくなったことにより、気軽に医療機関を受診する人が増えたことも理由のひとつとして上げられるでしょう。
❸ テレビ番組やインターネットの発達でうつ病の情報が得やすくなった
最後に、当サイトも含め、TVやインターネットなどで、うつ病の情報に触れる機会が増えたことも理由のひとつに上げられると思います。
従来型のうつ病の人は、症状である意欲減衰や億劫感などのため、積極的に情報媒体を見たりパソコンを操作したりするといった機会が極端に少なくなりがちです。
しかし、比較的な活動的な新型うつ病の人は、これらの情報メディアから積極的に該当する項目を探し、自分でうつ病だと判断しているのかもしれません。
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