不眠とうつの深い関係と「セロトニン」の役割
うつ病の患者さんのほとんどが、不眠症などの何らかの睡眠障害を併発していると言われています。
また、逆に不眠症から、うつ病に進行してしまうというのもよくあるケースです。
不眠とうつ症状はお互いに影響しあっている
この記事の目次
「不眠」と「うつ症状」は相互的に作用しています。
不眠症状が強くなれば、うつ症状にも悪い影響を与えますし、
うつ症状が更に悪くなれば、睡眠にも更に悪影響が生じて、またうつ症状が悪化して、不眠が強くなり…
といった、負のスパイラルにつながることが往々にしてあります。
不眠症になって眠れないために、朝目が覚めても疲れが取れない、夜ぐっすり眠れなかったために、朝から気分が沈んでしまい、やる気がでないまま一日をなんとか過ごす。
そして、またその夜も余計に眠れなくなってしまい、そのために次の日も気分が晴れない。
そういった日々が続くことで、うつ病へと進行してしまう…
このように、うつ病と不眠症はひとつのセットのようにお互いに悪影響をもたらしやすい傾向があります。
しかし、この相互作用は逆に良い方向に考えてみることも出来ます。
不眠が改善されればうつ症状も軽減されていきますし、うつ症状が改善されてくると、質の良い睡眠が取れるようになって、朝の元気も少しづつ取り戻し、昼間も活動的になっていくため、夜もぐっすりと熟睡できて…
…といったようにプラス面での良いスパイラルに繋げていくこともできると言えるでしょう。
このように、「不眠」と「うつ」は深い関係で結ばれており、プラス面でもマイナス面でも、お互いが重要に影響しあっています。
不眠やうつ症状にはセロトニンが大きく関係している
不眠症やうつ症状には「セロトニン」という脳内物質が大きく関係しています。
こころにとって重要な3つの脳内ホルモン
私たちの心の状態に大きな作用をもたらす代表的な脳内物質(脳内ホルモン)には、
「セロトニン」
「ドーパミン」
「ノルアドレナリン」
の3つがあります。
「快楽」を感じる場面で溢れるドーパミン
このうち、ドーパミンは気分が強く高揚した時や、心臓がドキドキするくらいに嬉しい時、意欲にみなぎり興奮した時などに出てくる、「快楽」に関係した力強い感情をもたらすものです。
ドーパミンがもたらす、天にも上るような多幸感や、ドキドキわくわくと興奮するといった感情は、時には必要な人間にとって大事なこころの働きです。
しかし、このドーパミンのみが常に溢れ続けているような状態は、麻薬やドラッグなどの覚醒剤で快楽のみを求め、脳が暴走しているような状態と同じです。
「不快」や「恐れ」を感じる場面で溢れるノルアドレナリン
また、ノルアドレナリンは、ドーパミンとは反対に「不快」、「恐怖」や「不安」といったネガティブな感情に大きく関係しています。
ノルアドレナリンがもたらす、恐怖や不安などの不快な感情なんて必要がないのではないか?と思われる人も多いかも知れませんが、こういったネガティブな感情も、私たちが生きて行くために、なくてはならない絶対に必要な感情です。
もし、この恐怖や不安という感情がなければ、例えば火事の現場であるとか、ナイフを持って追いかけられるというような(少々極端な場面ですが)命の危険にさらされているような危険な場面でも何も感じなくなり、逃げる事もできずに、最悪、死んでしまうことになってしまいます。
ここまで極端な場面はなかなか遭遇することはないかもしれませんが、私たちは日常の場面で、このノルアドレナリンがもたらす感情の作用によって、身を守っています。
しかし、このノルアドレナリンも、この感情のみが溢れ続けているような状態が続けば、常に恐れや不安などの不快な感情にとらわれて、しまいには外に出ることも全く出来ずに動けなくなってしまうでしょう。
ドーパミンとノルアドレナリンを正しく制御する「セロトニン」
このように、ドーパミンやノルアドレナリンがそれぞれ極端に偏ってしまうと、こころの状態は壊れてしまいます。
この、ドーパミンやノルアドレナリンをはじめとした、こころにとって重要な働きをしている脳内物質を正しく制御して、心が快楽にも恐怖にも振れすぎないよう、どちらかに暴走しないように常に冷静に調整をしてくれているのが「セロトニン」です。
セロトニンが正しく分泌されることにより、こころの状態を、興奮し過ぎず、また、落ち込みすぎずの爽やかですっきりとした気分に保ってくれるのです。
「うつ病」とは、セロトニンがなんらかの理由で正常に働かずに、心に働く重要な脳内物質のバランスが崩れることで起こる脳の病気です。
現在のうつ病の治療薬は「SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)」が主流
「セロトニン」は、心の状態にとってどれだけ影響を持つ存在なのでしょうか?
それは、現在のうつ病治療の中心となっている抗うつ薬が「SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)」という薬であることから、その重要さがよくわかります。
「SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)」とは、わかりやすく言うとセロトニンを増やす為の薬です。
セロトニンを増やすことで、心の働きのバランスを正常な状態に戻して、うつ病を直すというのが、現在主流になっている抗うつ剤の目的です。
薬に頼らずにセロトニンを増やすには?
このように、現在主流になっている精神安定剤や睡眠薬は、セロトニンに作用する機構をもったものがほとんどです。
けれども、薬を使うことに抵抗がある方も多いと思います。
まずは、予防的な意味も含めて、ご自分でできることからはじめたいという方は、
自分ではじめられるセロトニンを増やす方法を、いろいろご紹介していますので、ぜひ、ご自分にあった方法をお探しになって見て下さい。
セロトニンはトリプトファンから作られる
こちらの記事で詳しくご紹介しているように、セロトニンは「トリプトファン」という必須アミノ酸から作られます。
これは、セロトニンがつくられるための絶対条件で、トリプトファンという必須アミノ酸がなければ体内でセロトニンは作られません。
しかし、必須アミノ酸は体内で合成されないため、必ず食事から摂る必要があるのです。
セロトニンを増やすには「トリプトファン + ビタミンB6 + 炭水化物」という3つの栄養素が必ず必要です。
バランスの良い食事をとっていれば、それほど意識せずに自然とトリプトファンをはじめとした必要な栄養群を摂ることは可能です。
しかし、私たち現代人の忙しい生活の中で、毎度毎度バランスよくこれらの栄養素を含んだ食事を用意するのはあまり現実的とも言えません。
最近では、そうした場合に手軽に補給できる方法として、セロトニンを増やすことを目的としたサプリを利用するのが広まってきていますので、そういったものを利用するのも良いと思います。
セロトニンサプリについて、詳しくは次の記事をご参照下さい。
セロトニンを増やすためのサプリ
薬を使わずにセロトニンを増やすことを目的としたサプリについての記事はこちらからどうぞ。【2019】当サイトお勧めの天然素材のセロトニンサプリ総合ランキング
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